八重のふるさと

於茂登山に遊ぶサシバの群れ
新北の風に身を委ね

二度と戻らない夏は過ぎて
ツワブキの花は里に揺れ

さよなら さよなら
八重のふるさと

御神崎に立てば白波は
涙の代りにほほに落ち

テッポウ百合の花咲く頃は
願いは祈りに変わるだろう

さよなら さよなら
八重のふるさと

鳥よ花よ海よ山々よ
いつの日か帰るその日まで

絶え間なく唄を捧げよう
白浜に月は十三日

さよなら さよなら
八重のふるさと

さよなら さよなら
八重のふるさと
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