月桃

月を見い見い 思い出す
二度と逢えない 面影を 
せめて指先 触れられたらと
透けないように浮かべてみても
まばたきのあと 瞬く夜空

逢いたいよ 逢いたいよ
月に願いを込めて歌う
逢いたいよ 逢いたいよ
桃色のぬくもりで抱きしめて

月を揺らす さざ波が
遠い思い出 連れてくる
波のしわを 丁寧に
端まで伸ばして広げたら
あの日に帰れる 気がします

逢いたいよ 逢いたいよ
月に願いを込めて歌う
逢いたいよ 逢いたいよ
桃色のぬくもりで抱きしめて

逢いたいよ 逢いたいよ
月の雫がしたたる夜は
いつかと同じ月桃の花に
幾つもの月が花咲かす

もう一度逢えた気がします
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