伽草子

雨もふりあきて
風もやんだようだね
つい今しがたまで
ドンチャン騒いでた街が
ひっそりかんと
ひざを正してさ
静かだねー 静かだねー
夢でも食べながら
もう少し 起きてようよ

君も少しは
お酒を飲んだらいいさ
おぼえたての歌を
唄ってほしい夜だ
スプーンもお皿も
耳をすましてさ
ああいいネー ああいいネー
泣き出しそうな声で
もう少しいきますか

雲が飛ばされて
月がぽっかりひとり言
こんな空は昔
ほうきに乗った
魔法使いのものだったよと
悲しい顔してさ
君の絵本を 閉じてしまおう
もう少し幸せに
幸せになろうよ
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