佐渡の舞い扇

波の小鼓(こつづみ) また大鼓(おおつづみ)
かっこかっこと 鳴りわたる
海は漁師の 能舞台
佐渡の山々 茜に染めて
昇る朝日が 修羅扇(しゅらおおぎ)

昔、平(たいら)の 清経(きよつね)公が
戦する身が 厭になり
月にきかせた 名残り笛
遠く偲んで 平和にひたる
小木の岬の たらい舟

舟の行く手に ふる淡雪は
可愛い天女の 羽衣か
海は俺らの 鏡板(かがみいた)
トンと踏みしめ 網ひき寄せりゃ
おけさしぶきの 花が咲く
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