化粧直し

貴方が去ったあとのこの部屋 白く濁っていく
過去は遥かな霧の様で
私のもう二度とは示せない強さ 霞んでいく
今朝の別れが雨なら良い

貴方に逢って孤独を知った
だけど失った今私は初めて本当のひとり

馨る枇杷 二人の庭はとうに朽ち痛んでいる
何度もさようならを言い過ぎて

どうか帰ってもう一度だけ
その時こそは貴方の慈しみを無駄にしないから

貴方に逢って孤独を知った
だから失って今更ながらまた貴方を識った
言葉が宙に舞って枯れたとき
やっと私は気付いた
本当にひとり
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