春風

雨上がりの午後に 玉川沿いの どろんこ道を歩く
誰かの足あとが 同じところへ向かっている
細い階段を 少しおりたら 水の流れがきこえてくる
大きなコイが泳いでいる 狭い川の中をゆらゆら

悲しくなったら よくここにくるんだ
そういってあなたが さそいだしてくれた

自分をもっと素直に出してごらん
どう思われるかって おびえないで
派手に失敗したっていいじゃない
だから今度こそって思えるんだ

くじけそうになったって
思うようにいかなくたって
太陽の空にむかって 大きく 手をのばそう

風にふかれてタンポポのたね
わたぼうし サヤサヤとなびかせて
風にふかれてタンポポのたね とんでいく どこへゆく
フワリフワリ
一番高い木を抱きしめて てっぺんまで見上げるんだ
背中をまるめていたら 見逃しちゃうから

せつなくなったら またここにくるんだ
あなたが教えてくれた この場所へ

風の流れに身をまかせてごらん
もがいたらおぼれちゃうから
もっと力を抜いてごらん
大きな空をもっと高く飛べるはずだから
一人なんかじゃない 寂しくなんかない
あなたならできる あなたならできる
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