包丁とまな板

あんなにいつも追いかけていたものが
いつの間にか懐かしいおもちゃのよう
そんな日々も板につく今日このごろ
老け込むような ふとしたとき寂しい気もするけれど

大切なものは一つじゃない
それはわがままでも欲張りでもないから

この手をもっと伸ばして
がむしゃらになって見失う日々を
もう一方で握った
ぬくもりが繋いでくれるよ
眩しいライト音響が
心の中鳴り響いてるよ
優しい日差しと鼓動が
今いま僕を包んでいるよ

きっと誰かを裏切りもしただろう
そして人の優しさにも気づいたろう

包丁とまな板のリズ厶が
下手な僕の毎日を表してるみたいだ

大きく両手開いて 広がる空を吸い込んでみたら
ソーダのように幸福が心に溢れてきたのは
この瞬間まで続いた道程を好きになれたから
下手くそなリズムで刻んだこの日々を愛しく思うから

玉ねぎを炒めるにおいが
ダクトから夜空に昇ってく

この手をすっと下ろして
君の頭を思い切り撫でたら
君のために歌うよ
君の笑顔のために生きるよ
大袈裟なこと言っちゃった
でも嘘ではないと本気で言えるよ
優しい日差しと鼓動に
今いま僕もなれたらいいな
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