夜の積み木部屋

いないいない 痛い痛い
壊れたてのひら 結んで開いて 泣いてるよ

お部屋の角の黒い影が
手招きをしながら笑ってる

魚の匂いが染み付いた
夜のカーテンが揺れてるよ

いま小さな体に 溢れたお花を
数えてむしって 食べては咲いて
いないいない 痛い痛い
おててを 繋いだ子供が 逆さに 歩いてる

窓の隙間から差し込むあかりは
鈍色 水中 泳いでる

天井崩れて 潰れた僕と
目が合う お魚 さようなら

この壊れたあたまが 崩れて落ちて
登って 落ちて 回ってる
いないいない 見えない 小さな足が
真っ赤なタップを 踏んでるよ

夜の隙間から覗いたおめめが
こっちをみながら泣いてるよ

襖の向こうのパパとママ
こっちをみないで笑ってる

あのさいごのせかいのはじまりみつめて
夢見て踊ってわめいて消えた
いないいない くらいくらい
なくなっちゃったね
早く積み木をつまなくっちゃ!

らーらららーらーららら
らーらららーらーららら
×