サクラ食堂より

親の恋しい十五才(じゅうご)から
励ましあった 仲でした
春の嵐が 一陣吹いて
あなたさらったあの日から
サクラ食堂 女手一つ
ふたりの夢を 護(まも)って生きる

眠る時間を惜しむよに
働いたわね ふたりして
情けの深い この下町で
おなじみさんが親代わり
サクラ食堂 暖簾をあげて
倖せでした あゝこわいほど

仕事帰りの常連さん
おかえりなさい 日替わりは
金目の煮つけ 卯の花添えて
超えた涙が隠し味
サクラ食堂 たそがれどきに
軒(のき)に舞う桜花(はな) あなたでしょうか
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