からすなぜ鳴く…

からすなぜ鳴く あかねの空に
泣いて家路を 急ぐのか
俺も灯の 塒(ねぐら)が待てば
泣かずに家路を 急ぐのに
ひとり彷徨う せつない胸を
なぜに濡らすか あゝこぬか雨

君が残した 抜け殻ひとつ
今も捨てずに いるものを
月日(とき)は流れて 時代は移り
今では令和の 風が吹く
何処へ失くした 小さな花よ
心涙の あゝ夜が更ける

だれが唄うか 路地裏通り
昭和流行(はやり)の ブルースか
遠いあの日の 時代を駆けた
さびしい男が ここにいる
おれも思えば はぐれた烏
たそがれ挽歌よ あゝ霧が降る
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