狐雨の頃

日本では昔から天気雨のことを「狐の嫁入り」と言います。
空は晴れているのに、雨が降っている嘘みたいな天気、
まるで狐に化かされたような天気。
それは、僕が人通りの少ない国道沿いを、一人歩いていた時のこと。

国道沿いのベンチ
うつむく君をみた時
なぜか僕は声をかけることが出来た
「傘入りませんか」と

そんな事 いつもの僕なら
出来るはずもないのに
去り際 手には君の番号握ってた
化かされた気分だった

大人になったら結婚するのよ
都市伝説か 昔の言い伝え
些細なことも 将来のことも
何かと理由をつけて
ここまで来てしまった僕だけど
降ってきた 事故のような出会いが

雨、雨、雨…

明くる日から ameは 止まない
僕らの間に落ち続ける
数分間の散歩を想い眠るよ
晴れた日 きっと 街のイタリアンで
ああ洗い流さないで
君の顔 声や温度 香りも
テレビ電話も気軽に出来ない
何も知らない 脆い僕らだから
朝食はパン?ご飯?
食後はコーヒー or ティー?
趣味の話も きっと今度

ああ洗い流さないで
君の顔 どうして思い出せない
フォルダに1枚も君がいない
何も知らない 脆い僕らだから
朝食はパン?ご飯?
食後はコーヒー or ティー?
涙のわけも きっといつか
君は僕の… 希望さ

大人になったら結婚するのよ
都市伝説か 昔の言い伝え
些細なことも 将来のことも
何かと理由をつけて

「きっと狐に化かされたんだ」
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