彼岸花

この秋の街の匂い
夕暮れの疎らな人通り
どうして僕は一人でいるんだろう

あの空に浮かぶ雲
燃え尽きて滲む闇
どうして君は一人でいってしまったの

さよならを言うことも叶わないまま
立ちつくす後ろ姿
寄りそう灯

その瞳に憑る影
揺らめいて溶ける月
どうして二人は一緒にいないんだろう
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