金木犀

恋が散らした 涙のような
三嶋の森は 花の海
遠いあの日を 連れてくる
金木犀の せつなさよ
みれんを捨てる ひとり旅
はかない恋を 知ったから

誰をおもって 小枝の先に
ぽつんと留(と)まる 赤とんぼ
風にふかれて 香りたつ
甘く優しい あの笑顔
どうして秋は 淋しいの
あなたの愛に ふれたから

いのち燃やして 金木犀は
二度咲く花よ 夢をみて
情け千年 根をはって
寄り添う枝も あるけれど
希みを捨てる ひとり旅
叶わぬ恋と 知ったから
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