ガイドブック

金網越しに青空 見上げてる君を見てた
壊れそうなその肩に
触れることもできずに

病室からじゃ見えない 君の好きな場所全部
一緒に行こう ふたりだけで
いますぐに このまま連れ出したい

君は笑って ありがとうねって笑って
震えるその手を隠して
もう一度笑って
言葉探した 僕のダメな思考回路
何にも言えない時間が
通り過ぎていく

夏の終わりを告げる風が
君だけを連れて行く

あなたが扉を開けて いつもの笑顔をくれて
それだけで嬉しくて
いつもの自分でいれた

あなたは次の幸せ 探してねって言った夜
初めてあなたは怒って
抱きしめてくれたね やさしかったな…

時よ止まって どうかこのまま止まって
大切な人とこのまま
ふたりでいさせて
言葉少なな 不器用なあなたがくれた
大きなこの愛があれば
何も怖くない

夏の終わりを告げる風は
どこまで吹いて行くんだろう

ふたりでいれた時間は
ほんの一瞬だったけど
紡いだはずの想いの糸は
いつまでも いつまでも
切れはしない

何も変わらない 青空は今日も高くて
だけど夏の空じゃなくて
もう秋だなって
君の笑った 写真を一枚挟んだ
君の好きな場所のガイドブック
カバンに詰めて旅に出よう

振り向かない もう立ち止まらない
この胸に君をつれて
×