ぶらんこ降りたら

夕焼けのなか歩くなら 指からませ甘えたい
公園通り抜けながら ふと悲しくなった
いつからか 立ち止まるわたしに
気づかないことが増えたね

風に揺れてる小さなぶらんこ
幼い日のふたりが乗ってる
あなたの横顔 見つめたくって
夢中であわせる わたしがいた

路面電車が横切って あなたの家見えたけど
いまのふたりが還る場所 ここじゃない気がした
この頃は わがままを言っても
叱ってくれなくなったね

恋が揺れてる小さなぶらんこ
手をつないだふたりが乗ってる
見つめ合いながら 離れないよう
気づかうあなたが 好きよ

泣き出してしまえばいいの?
駄々っ子みたいにしゃがみ込んで
やさしい笑顔に もう一度だけふれたい

いまはすれ違うだけのぶらんこ
こごえた指そっと差し出すから
つかんだその手を 放さないでね
ぶらんこ降りたら 歩き出せる
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