郷土部隊進軍歌

兄や妹や 父母の
歓呼の声に 奮いたち
さらば出征(ゆく)ぞと 故郷を
遠く離れて 幾百里

来る日来る日の 戦いに
刃こぼれしたる 銃剣(けん)の尖(さき)
赤い夕陽に きらきらと
進む無敵の 我が部隊

高梁噛みしめ 丘越えりゃ
行手に白い 綿の花
敵の弾音 聞きながら
暫し憩いの かり枕

かねて覚悟の この身体
御国のためだ 華と散ろ
かたく戦友の 手を握り
誓う塹壕の 月あかり

見たか誉れの 日の丸を
朗らにあおぐ 徐州城
忘れられよか 真ッ先に
あの日拓いた 突撃路

これで本望と 戦友が
抱かれし儘で 笑い顔
傷をこらえて 言うことに
一目見たいよ 故国(くに)の空

泥濘(どろ)に塗(まみ)れた 軍服(ふく)を脱ぎゃ
坊やの写真が 手に触る
明日も一緒に 父さんと
銃をかついで 進軍歌
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