花火

この街はどこか寂しくて
欠けたような気になる
懐かしい匂いに惑わされ
間違えた恋もある

「何でもない日が続けばいいのよ」
りんご飴舐めながら君は言った

花火が上がった
嘘みたいに消える花びら
煙をかき消すように
また次の火種が燃える
僕は少しだけ
悲しくて喜べなくて
まるで傷も痛みも
無かったように咲くから

昔の無邪気さはもう無くて
汚れた右手を見る
変わってしまったのは僕だった
感情を無くしていく

君ならどうやって誤魔化すんだろう
何でもないあの頃に帰りたくなるよ

花火が上がった
嘘みたいに消える花びら
煙をかき消すように
また次の火種が燃える
僕は少しだけ
悲しくて喜べなくて
まるで傷も痛みも
無かったように咲くから

君との出会い別れが
無かったように咲くから
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