針葉樹

深々と 纏うもの
羽織たてのコート
わかるには 早すぎて
悩むこともしたいのに

知らずに満ちていた
雪の中 思い出したら
約束は 手付かずのまま
無くさないで

この木々を 抜けたなら
空いたマグを持って
気がかりな 日々のこと
忘れないでいて

知らずに満ちていた
雪の中 思い出すなら
醒めないままの ふたりが まだ

舷窓から 手を振って
戻らないから
針葉樹 佇んだ
夢のあとから
×