君泳ぐ

僕の中の人生はきっと誰かの中にあって
夢で描いた一生も、褪せないままでいた
思い出になってもいつか
君の脳裏から消えてしまうだろうから
何か1つこの世界に僕を残した

花は散っても季節を跨ぎ
また新しい芽を咲かせる
忘れたいだけの人生なんて
苦しいだけだから終わりを選んだ
「目蓋の裏に見える光だけが真実だ」
そんなことを誰かが言っていたけど
愛も優しさも恋も友情もお金も言葉も幸せも
誰一人として身寄りのない
僕の目蓋の裏には響かない

温度の冷たい波が、隙間を埋めていく感覚が血中を伝わっている。
命が掬われる感覚だ

海は透明だ
もう水が喉元まで泡になっている
最後まで強がるしかなかった
誰もが僕を疑った
だから、誰も信じられなかった
空が綺麗で心に穴が空いた

瞳には君が映っている
綺麗な言葉で 身を纏っていた
僕の人生は小説にすら
ならない程にちっぽけで
泥に塗れていたのに

何も描けない程に残酷だ。夜風が吹いている
誰もいない海の上で ただ空を仰ぐように
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