おもいでグラス

男ごころに なぜ沁みる
夜更けて止まぬ 宵しぐれ
泣き泣き書いたか 滲んだ文字の
手紙を一通(ひとつ) 懐に
詫びて呷(あお)れば 泣ける酒

幼なじみに 恋をして
待たせたままの 春が逝(ゆ)く
男のやさしさ 忘れた俺か
倖せやれず 裏通り
酔えばグラスに 浮かぶ夜

純粋(うぶ)なおまえにゃ 辛かろう
苦労に苦労 かさねてる
ゆきずり夜風が おしえてくれた
面影ゆれて 愛しいよ
薄い縁(えにし)か 遠い町
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