冬かもめ

そっと隠した 旅支度
冬が来たって そのままで
お前は 優しすぎるから
俺を捨てられ ないんだろ
出て行けと 言うための 深酒を
見ててくれるか ああ 冬かもめ

殴るふりして 追い出せば
奴のところへ 行けるだろ
お前は 何も悪くない
遠い霧笛が すすり泣く
もう一度 細い肩 抱きよせて
それでどうなる ああ 冬かもめ

甲斐性なしの 男でも
別れくらいは やれるだろ
ひとりは さびしすぎるから
浜の捨て猫 ひろおうか
酔いどれて 眠りつく 夢の中
泣いてくれるか ああ 冬かもめ
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