AERATION

宵の口 群れに紛れて
何処へ 急ぐ 貴方は

街はまるで巨大水槽
窓を開けて 眺める私

着飾った 女たち
喧騒と 嘘と 駆け引き

色とりどりに煌めいて
思い出だけ 残してゆくから

貴方を待つ間 少しうたた寝をして
目が覚めたら いつものように
グラスを交わしたいの

ネオンテトラになって 二人
泡の中に沈みながら
ゆらゆら揺れる気持ち 隠さないわ
今日は 帰らないで

訳ありな 男たち
誘惑を いなす 囁き

思わせぶりに弄ぶ
そんな遊び 今日はつまらない

貴方が来ない日は 騒めきも色褪せて
約束など 要らないのに
時計ばかり見てるの

ネオンテトラみたいね 私
群れの中で独りぼっち
ゆらゆら揺れる気持ち 隠しながら
燥ぐ(はしゃぐ)ふりをしてる

夜から夜へ 泳いで来たの
溺れそうな 貴方に逢うために

貴方を待つ間 少し酔ったみたいね
魚影のように 掠めて行く
私のaeration

ネオンテトラみたいね 二人
今夜だけは 好きにさせて
飛沫(しぶき)を上げて 跳ねる心
躍るままに 溶けてゆくの

もっと ゆらゆらしたい 私
今夜だけは あの日のまま
流れる光の渦 車、停めないでね
帰りたくないわ
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