いごっそう纏

おまえを守ると 誓ったからは
命捨てても 火の中へ
甍一枚 崩れば地獄
それでも行くのが 纏持ち
祈るお前の 顔見おろして
振りきる 振りきる纏 天までとどけ

土佐の港に 燃え盛る火は
火の粉火の花 火の柱
どこにいるのか まだ見ぬ母は
きっとどこかで おっかさん
船の舳先に 足踏みしめて
誰が 誰が呼んだか いごっそう纏

愛しおまえの その涙でも
半鐘が鳴れば 火の海へ
誰の涙も もう見たくない
きっと必ず 戻るから
真っ赤に染まる あの空めがけ
振りきる 振りきる纏 天までとどけ
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