陽炎

陽炎に歪む街角
君の影が 遠くで揺らめく
照り返す太陽 切り裂くように
甘い香り導かれ 追いかけた

眩暈がするよ

今手を伸ばしたら
届きそうな
夏色の白昼夢
消えないで 今なら君を
傷つけないのに
幻をそっと抱きしめたなら
一瞬で消えた

どこか寂しそうな君が
僕はいつももどかしかった
近づくほど遠ざかって
熱くなるほど冷めていく
君は何が怖かったの?

聞けないままで

まだ追いかけさせて
街に溶けた
君色の蜃気楼
振り向いて 今なら言える
言葉があるのに
未だ汗ばむ想い胸の中
ずっと叫んでる

線香花火のよう ひとつだけ
初めて零した涙に
僕は気づかないふりした
怖がっていたのは
僕の方だったんだ Ah

あの夜もしも…

その目に溢れていた
涙をそっと
拭えたら良かった
行かないで 今なら君に
伝えられるのに
いつの日も君を守り抜くから、と

手を伸ばしたら
届きそうな
夏色の白昼夢
夢だって わかっていても
通り過ぎられない
幻をそっと抱きしめたなら
一瞬で消えた
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