フィラメント

明け方の空 カーテン越しに昇り行く陽がやけに眩しくて
起床を告げた 一度目の音に顔を背け瞳をつむった

二度目の夢で 誰かが言った「あの日の誓いはどこへやった」
曇ってた視界が少しずつ晴れた
そこに在ったのは巨大なパズルで
それを夢中で組み立てる僕が居た

明日へ向かう 脇目も振らず 立ち止まることなく
その姿 放ち出した熱に飛び起きたんだ
履き古した靴の紐を 解けないように固く結んで行こう
さあ来た道にまた戻るより 進むがいい

幼い頃に身につけていた 好奇心があったはずなのに
散らかる部屋のどこかしらに 飲み込まれて出てこなくなった

パズルのピース 正解の場所 人の顔色ばかり覗き見て
間違えることさえ出来なくなっていた
誰もがいつしか 叱られ悩んで 今でもまだきっと 未完成の最中

明日へ向かう 脇目も振らず 立ち止まることなく
その姿 目的地は遠く 水平線の向こう
ガソリンのない車のように 途方に暮れていた自分の胸にも
まだ燃えてる 君がくれた熱で 進むがいい
その光はもう見えてきただろう 笑えばいい

たとえ何度転んだとしても 進むがいい
たとえ道に迷ったとしても 笑えばいい
叫びたくなるような夜に取り残されたとしても
光を探せ 掴め
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