99鬼夜行

苛立ちの窓辺に花火1つ 汗ばんで愛し合う夏の虫
惹き合う求愛のうた空高く 見事僕を打ちのめす

眠らん大通り時速60kmで夜は行く
どうどうめぐりから抜け出せない 僕の存在などいざ知らず

コンビニで缶ビールバニラアイスの彼女はポケットにチョコレート
ちょっぴり青いあんな頃があったかな 僕にも

夢よさよならどこへでもゆけ 四半世紀後にまた会いましょう
それでもまだこの椅子の上 僕がいたならそれを未来と呼ぼう

いま何時? 時計は時空超えたかの如く微動だにしねぇ
朝よ来い もう2度と来るな 行方不明の僕に誰か

伝えて「さよなら」どこへでもゆけ
四畳半で足らないならやむなし
本日の僕は幾ばくか不足
出直そう 遥か遠い未来夢に見て

いざ吹け懺悔の笛の音 狂ったように舞え敗けを受け入れて
異形の行列の先頭を飾れば こんな宵も悪かないかな

なんてな
あぁ もう 夜が明ける きょうもまた こたえられない

夢よさよならどこへでもゆけ 四半世紀後にまた会いましょう
割り切れないこの夏の先に 僕が行けたらそれを未来と呼ぼう
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