回顧録を編む

愛されたいと思ったこと
満たされたいと願ったこと
どれもが痛いな
すれ違う度に 触れられる距離を
君はいつでも 行ったり来たりの繰り返し

繋がりたいと思ったこと
そばにいたいと願ったこと
どれもが独りだ
私の匂いなんて 覚えていないでしょ
それでいいよ 答えは聞かないよ

要らない言葉を捨てながら
足りない心を集めてる
君を消したその空白に
大切な“何か”を重ねてく

つまらない話をしよう
くだらないことだって笑おう
埋まらない二人だけの間で
さよならの代わりに残された嘘の
理由はただ 君にはまだわからない

伝わらないと嘆いた日は
一人になりたいと叫んだ
君の所為だったな
例えばあの時 こうしていればなんてさ
悔やむ度 楽になっていくんだよ

飲みかけの甘いミルクティーを
冷蔵庫の中に置いたまま
戻らない日々は確かに
まるで短編映画

つまらない話をしよう
くだらないことだって笑おう
埋まらない二人だけの間で
なくしたものは全部 意味のないものだよ
それでもまだ 何かに縋りついてたい

“今更約束なんてさ 不安になるだけ” だってさ
誰かの言葉がギュッとさ 胸を掴んで痛くてさ
“うまくは言えないよ”だってさ
借り物の言葉じゃ ほら
救えないようにできている

つまらない話をしよう
くだらないことだって笑おう
埋まらない二人だけの間で
さよならの言葉は春風に乗せてゆく
忘れられない記憶などないと思った

つまらない話をしよう
くだらない喧嘩だってしよう
届けたい言葉が錆びる前に
さよならの代わりに残された嘘の
理由はただ 君にはまだわからない
×