今宵もかろうじて歌い切る

街の明かりの外の外
鉛色の空に痩せた月
今更それが何になろうか
過ちを数え 罪を数え。。

拗れに拗れた感傷が
あからさまなトドメを待っている

今宵もかろうじて歌い切る
かろうじて今宵を歌い切る

眉間にうろつく淡い風
露を湛えた青い花
届くことなく潰えた祈り
手を振り合えずじまいの別れ

あいつが逝ったとの報せを
いまだ鼓膜の内側に飼っている

今宵もかろうじて歌い切る
かろうじて今宵を歌い切る

棄てるのはいつだってこちらの方
“道”は人を棄てたりしない
浅い眠りから這い出て
歪んだ背骨にまた荷を担ぐ

細り萎び錆びゆく生業を
されど
燃やして燃やして燃やして。。。

今宵もかろうじて歌い切る
かろうじて今宵を歌い切る
×