五月雨

雨模様のバス停までさ
パジャマのまま送ってくれた
あなたの姿が愛しくて愛しくて

曇り硝子窓はイタズラ
外の世界を遮るから
人差し指でもどかしさを拭い去った

両手を小さく振り続けた
最初のカーブで見えなくなるまで

あなただけいれば それ以上も以下も望まない
ゴーゴーバスがロードを走り抜けていく
五月雨よ ひとり僕の帰りを待つあの人を
どうぞ包み込んであげてくれないか

昨晩不意にあなたが見せた
重なり合う涙の理由を
僕はどれくらい受け止めてやれたのだろう

待ち続ける女の辛さ
待たせている男の苦さ
試し合うことでは何ひとつ生まれない

幼稚なルールに縛られてた
昨日までの二人にさよなら

坂道を上り下り山手通りを横切り
ゴーゴーバスよどんどん走り抜けてゆけ
五月雨がやがてサラリサラリとまたやむ頃に
信用そして信頼 少し築けたらいい

次の休みの日には
ゆっくりお出かけしましょ
約束通りに右手と左手つないで二人で

あなただけいればそれ以上も以下も欲しくない
ゴーゴーバスよロードを走り抜けてゆけ
坂道を上り下り山手通りを横切り
ゴーゴーバスよどんどん走り抜けてゆけ
五月雨よ ひとり僕の帰りを待つあの人を
どうぞ包みこんであげてくれないか
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