ゼロ

最果てに砂と散る愛は
偶然の先に 生まれた火花

いたずらに神の遊びが
二人に及んだ それだけのこと

闇を彷徨う 赤い魂たちが
そのときだけ 交わったせいで

空から吹きつける 凍えた風が
白浪を立てて 孤独に砕けた
あれは幻だと 言い聞かせてる
儚い季節に 別れを告げれば
またゼロになった

身体中を縛りつけたのは
過去の傷痕と 明日への恐れか

誰もがきっとわかり過ぎていた
避けられない罪に 追われていること

言葉の中に こぼれ落ちたそれは
触れることも 拒む悲しみ

太陽が閉ざされ 行き場を失くした
光の行方を 誰が知るのだろう
遠く浮かぶ船は すべて道連れに
彼岸の元へと 流されてしまう
またゼロになった
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