未来

僕はよく峠道で迷うことがある そんな時
いつも峠は深い霧で これからゆく道はもとより
今来た道さえ見失ってしまう

もしもあの時 君にめぐり逢えなかったなら僕は
きっとあの峠道で 生命を落としていただろう
人を愛すること それさえも知らず

君は今僕の腕の中で やわらかな光を放つ
軽々しく言いたくはないが 今君を生きがいと呼ぶよ

多分僕等は超高速の乗り物にうしろ向きに座らされ
過去という名の風景と うしろから来る未来と呼ばれる
希望との間でうろたえている

陽は昇りまた陽は沈み 長い長い道のりは続いても
これから来る峠道で もう迷うことはないだろう
君の手のぬくもり それさえあるなら

僕は今君の瞳に映る 全てのものを信じられる
君の生命が愛おしい 僕と一緒に暮らさないか

君は今僕の腕の中で やわらかな光を放つ
軽々しく言いたくはないが 今君を生きがいと呼ぶよ
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