大展覧会

今日も街は
大展覧会の準備に励む人であふれ
教会の鐘の音が朝を告げる
僕は慌てて身支度をした

この街も人々も変わってゆく
取り残されてしまいそうで
慣れそうもない仕事に疲れ
きづけば 四度目の春が訪れた

小さな自転車に跨る 妹の背中を支えた
花が咲く頃には どこまでもひとりでいけるよ

みんな 歌いながら 踊りながら
夜を過ごすんだろう
きっと迷いながら 戸惑いながら
朝を待つのだろう

明日になれば

今夜街は
大展覧会の準備を終えた人であふれ
触れ合った誰かの肩にひらり
ひとひらの羽根が舞い落ちた

展覧会が終わったら
どこか遠くへ出かけようか
恋人は嬉しそうに
“海が見てみたいの” と笑う

みんな 笑いあっては 愛し合っては
夜を過ごしていた
ずっと 祈りながら 寄り添いながら
朝を待っていた

明日になれば
変わってしまうのかな

皆思い思いに歩いてゆく中
ふいに立ち止まり振り返った
今日は 街をあげた大展覧会
僕たちはどこへゆくのだろう
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