善人の反省

善人は反省しないね
己の良心に疑い持たぬゆえ
善人は反省しないね
正しさの陰に隠れているのさ

稀に反省するけれど
とても浅い
水たまりぐらい
晴れた日なら昼前には干上がってしまうような水たまり

文句を言えば
なにか失礼しました?って感じで
私の善意をあなたはそう受け取るのですねって感じ
お気の毒って顔でこっち見る

それから言い訳をする
悪気はなかった
そうと知っていれば
あなたの喜ぶ顔が見たかったから

非を認めるのを恐れ
罪を負うことを厭う

善人て気に入らないよね
アレは酔いしれている
図に乗っているんだよ
善人は気に入らないけど
だが、しかし
確かに気に入らないけれど

いなきゃいないで
いなきゃいないで
それも地獄さ
それも地獄さ

善人の反省は浅い水たまりみたいなもんだね
だけどさ
そこには青い空と白い雲
時には横切るツバメが映ったりしてね

善人の浅い反省が重い空気を軽くするのだ
そんなに深刻ぶるんじゃないよ
と、僕の肩を叩いてとおり過ぎる人

イラつく
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