脱出

灼熱の ビルの街
抜け出した 筈なのに
巻き戻された記憶が蘇る 最上階からは
飛ばされた帽子が 見下ろしてるの

照り返し食らう 突き刺さる紫外線
日陰を探し 独り 当てもなく歩くだけ

裏切る人はいない 期待しないから
明日を占うように 迷い込んだ地下街

日常は残酷ね 解放の日はいずこ

つむじ風がほら 掻っ攫って逃げてゆく
もうこの心揺れる事なんかない 二度と

照り返し食らう 突き刺さる紫外線
怠惰な日常さえ 巻き込んで溶けてゆく
私は平気よ 羽根よりも軽やかに
あなたより 遠い場所 目掛けて跳ぶから
見上げた 眩しさに今更惑わない

灼熱の ビルの街
もう二度と帰らない
×