ひとり酒場で…

小さなバッグ ひとつ堤げ
故郷(ふるさと)離れ 幾年か
駅のホームで 見送った
母の姿が 目に浮かぶ
ひとり酒場で 手酌酒
ああ、酔えば酔うほど 泣けてくる

都会の隅で ただひっそりと
夢をかじって 生きてきた
帰りたいけど 帰れない
父親(おや)に誓った 意地もある
氷浮かべた 水割りが
ああ、やけに今夜は 身にしみる

店に流れる 流行歌(はやりうた)
昭和時代が よみがえる
夢と希望に あふれてた
若きあの頃 なつかしい
現実(いま)を忘れて 飲む酒よ
ああ、なぜか今夜は ほろ苦い
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