笑えない人

夕立はまだ降りやまなくて
友だちもまだいないような
暗い人だって思うよな

朝方はまだ恐ろしいよな
新しい日が迎えに来て
ほら、外行こうって
笑うから

機械で冷やされた部屋が
指先から
いやに冷やしていくような

部屋の隅っこで
逃げるように僕は
ただギターを弾いていたんだよ
ねえお願い
こんな僕にひとつでいい
武器を与えちゃくれないか

クソみてえだなって笑うための

常識はただ嫌な顔して
僕らのことを睨んでいる
「ホラ、不適合者がいるよ」ってさ

お願いだからほっといてくれ
僕からすれば
あんたのが
ホラ、恐ろしい顔に見えるんだ

部屋の隅っこで
逃げるように僕は
ひたすら絵に描いていたんだよ
全部上手くいった未来を

死にたいはずの十代の人
唾も吐かずに笑ったんだ
僕らはそれを何と呼ぶのか

部屋の隅っこで
逃げるように僕は
ただギターを弾いていたんだけど
つまんねえ曲がひとつできたんだよ
これが僕の始まりになるのか

クソみてえだなって笑うための
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