ポケット

僕の右手が 繋いだ手のひらの片っぽうで 片っぽうで
僕のポケットに 招いた温もりの片っぽうで 片っぽうで

別の誰かに伸ばす手を君はあたかも
僕だけのように魅せてくれる

僕の右目が 捉えた横顔の裏っ側で 裏っ側で
僕の記憶に 刻んだ微笑みの 裏で

別の誰かに見せる甘い甘い顔があって
そんなことくらい見抜いている

僕には見せない顔を君はどのくらい持て余してんの?
人はみんなそんな思いを抱えながら ポケットに手を突っ込んで
歩いてんのかな

君の左手 握ってた手のひらの片っぽうで 片っぽうで
君のポケットに よく似た温もりの中で

苦し紛れに伸ばす手がまた誰かを
傷つけていく 君だってそうだろう?

言葉にできない淋しさを夜毎君の中で吐き出す
人や愛は所詮そんなもんなんだって 悟れたらもっと楽に
生きてけんのかな


僕には見せない顔を君はどのくらい持て余してんの?
人はみんな愛するが故に不安でポケットに入った心探してんの?

言葉にできない淋しさを夜毎君の中で吐き出す
きっとみんなそんな人の弱さごと認めて包んで愛してくのかな
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