餞の鳥

見上げれば青空 その向こうに行きたいの
焦がれれば焦がれるほど遠く

翼ならあるのに 開き方忘れてしまった
風に乗るイメージさえも今ではもう

またひとつひらりと落ちた その羽根をあなたは拾い上げ
臆病な私を誘うように 宙に投げたんだ

ゆっくりと (目を閉じて) この両手を (この羽根を)
広げたら (息を吸って吐くだけ) 風を待つように
カラダがちゃんと (ココロが細胞が) 覚えているよとあなたが言うから

空を舞うあの子は何よりもキレイに見えた
そのせいでだれも届かないところへ? ねえ…

青空にひらりと舞った 羽根が今あの子に重なった
どこまでも自由に飛べるように 歌を添えるよ

ゆっくりと (目を開いて) 弧を描いて (幾重にも)
この空の (この世界の果てより) もっと向こうへと
その姿が (あの子が遠ざかって) 見えなくなってもココから歌うよ

籠を飛び出して (自由を手にした) 鳥が奏でる音を今
私は辿って (ふたりで辿って) 歌う どこまでも高く響いて

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