RADIO GIRL

かぼそい電波が今日も忌まわしいノイズを纏って
僕の部屋の片隅のラジオへ彼女の声を運ぶ
世界中が影を潜める なにひとつ聞こえなくなる
母の罵声も 子猫の鈴も 夜が加速する音も

醒めない夢を解けない魔法を君がくれるの
古びたカセットの中にそいつを閉じ込めよう

君の話はいつでも僕の心をドキドキさせる
健やかなる時も病める時も一抹の春をくれる
だけど君は僕の名前とか姿や形は知らない
僕が君に愛を歌えるのはハガキ一枚分だけ

動かない脳 震える指で紡いだ言葉が
ふたりを繋ぐために夜空駆け出して

さよなら さよなら エンディングが流れる
さよなら さよなら「それじゃ今日はここまで」

デタラメな言葉遊びで作ったラジオネームを君が読み上げる
小さな笑い声が聞こえて何故か涙が出る

さよなら さよなら 夜が君を連れ去る
さよなら さよなら「お便りの宛先は…」

さよなら さよなら また手紙を送るよ
さよなら さよなら もう一度笑ってよ

それじゃ今日はここまで
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