霧雨五番町

口ずさむ歌は
なぜか哀しい歌ばかり
裏通り 雑居ビル
今でもおまえを探してる
あんなにあんなに 惚れ抜いて
いやというほど惚れられた
昔話さ 霧雨五番町

灰色の雲が
空でちぎれて刺さる雨
真心を くれた女(ひと)
今でもおまえを思い出す
俺と死ぬかと いった夜(よ)も
おまえは笑ってうなずいた
なんで手放す 霧雨五番町

流れては消える
時に遠慮はないけれど
めぐり合い 叶うなら
今でもおまえを抱きしめて
命惚れでも 別れたわけを
水に流してその水で
も一度咲きたい 霧雨五番町
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