淡墨桜 (詩吟「淡墨桜」入り)

淡い墨の花 根尾の谷間の 淡墨桜(うすずみざくら)

下へ下へと 根を伸ばし
雨風(あめかぜ) 嵐(あらし)に 耐えて立つ
優しく清く しなやかな
母によく似た その姿
あの故郷(ふるさと)の 山里で
凛(りん)と咲いてる 淡墨桜(うすずみざくら)

夢は枯れない 散らさない
待つほど大きく 育てます
哀しい時も ほほえみを
胸に咲かせて 生きてゆく
無口な母の 面影が
花に重(かさ)なる 淡墨桜(うすずみざくら)

泣いた分だけ 倖せが
必ず来るよと 母の声
根雪(ねゆき)は溶けて 川になる
蕾(つぼみ)開(ひら)いて 夜は明ける
私の春も きっと来る
咲けよ匂えよ 淡墨桜(うすずみざくら)
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