言の葉

あかね雲 はるか山の端に 沈む日傘のすじもよう
なおも想い出は色あせず いまだ此の胸に恋模様

桜花散る 夕べの日 抑えきれない言の葉を
文にしたためた さや祈りを のせる流れ

いつか季節さえ忘れ去り 夢も心も日を重ね
友はいずこかの空の下 あいも変わらぬは我ひとり

薫り立つのは藍の花 染まる心の絹糸が
風に震えてはささやいて 気付けば足元に細雪

そよ吹く秋は紅の楓落葉に
ああ逢いたいと ああ刻んでも
戻れない せつなさよ

あの日に誓い合った あなたとの言葉
いつまでも 忘れられずに
今日もここに

あの日二人は鈍色の 川に黄金のせせらぎが
ゆれて恋心ゆらめいて 影を落とすのは橋の下

愛しさも寂しさに 流れゆく思い出
川面に揺れる 夕焼けは
あなたと私の空
×