酒ごころ

表紙のちぎれた 歌本ひらき
しんみり演歌 うたう奴
小窓にそぼ降る 夜更けの雨に
はるかな故郷 恋うる奴
めぐる想い出 違っていても
同じだよ 酒をくむ心
淋しすぎるぜ ひとりってことが
男ってやつは…

煙草のけむりを 目で追いながら
帰らぬ友を しのぶ奴
別れた女の 面影うかべ
不幸にしたと わびる奴
いたむ古傷 違っていても
同じだよ 酒に泣く心
淋しすぎるぜ 逢えないってことが
男ってやつは…

にじんだ灯かげに 掌かざし
昔の夢を ともす奴
グラスに浮かんだ 氷を見つめ
明日の夢を 探す奴
たどる人生 違っていても
同じだよ 酒に酔う心
淋しすぎるぜ 生きるってことが
男ってやつは…

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