一般生命論

ねえ あなた ちょっといいですか そんなに時間は取らせませんから
何となくどうしても僕は分からない事がひとつありまして
いま僕の掌に僕とあなたの命があったとしまして
これの価値どんだけあんの 5分で答えて
よーい スタート

人類の歴史上それは飽きる事なく議題に上って
賢者達 権力者達 愚か者達の間でもずっと
「命とは何ぞや」と語り 話交わし 議論されても未だ
「価値とは自分次第」 それじゃなんとも御粗末 涙も出ないよ

西へ東へ 時に僕等はしょうもない嘘で
またある時はほんの小さな慰めでいつも
北へ南へ なんと容易く騙される魂
存在の証明を求めて

今日も 明日も 過去も 未来も
ふらふらふら

誰かの言葉だけじゃ 満たされない僕等は
命の使い道を 決められずに彷徨った
さあ今 眼を見開け 答えを出せ
借り物じゃない呼吸で

何時だってイチモツ抱えて 顔で笑って拳握って
「あの野郎いつかぶん殴る」 今日じゃない それは今日じゃないけれど
僕等の生活はそんな 懺悔と殺意と勘違いの上
キレそうな血管堪えて配慮する価値があると信じて

右へ左へ ある時それは宝だと呼ばれ
またある時は何の躊躇も無くゴミと呼ばれ
前へ後ろへ なんと不確定な人の魂
絶対の価値を求めて
今日も 明日も 過去も 未来も
へらへらへら

誰かの言葉だけじゃ 満たされない僕等は
命を傷付けて 命があることを知って
その手で触れたものの 温かさが
僕らを曖昧にした

失って 取り返して 失って 失って 失って
正解も 間違いも 別の視点から見たら同じで
どうとでも言えるよ この世界の全ては
盲目的に信じろよ 自分には価値があると

誰かの言葉だけじゃ 満たされない僕等は
命の使い道を 決められずに彷徨った
さあ今 眼を見開け 答えを出せ
借り物じゃない呼吸で
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