青色十色

あたりまえのことも出来ない
君をきっと悲しませたね
気づいた日に見えた空は青いままに
この両目に滲んでいる

たわいもないことで褒められ
喜ぶほど子供じゃないけど
せめて君に 次も恥じないようにと
小さなその欠片を集めた

覚えたての台詞を繰り返し叫んだ
背伸びの頭上には無数の流れ星
憧れを追いかけては またとない八月も
瞬き 掠れた声と過ぎて行く

青色 青色のままで 拙い言葉を重ねる
もう少し 上手く君に言いたくて
どうして ねえどうしてなの
時が経つのを怖がるの
こんなにも出来ることが増えていくのに

迷いながら歩いてみた
歌いながら笑ってみた
眩しすぎた水鏡に 幾度目の夏の匂い
遠く遠い街も人も すぐ側の路地も木々も
すべて覚えていたいよと
胸に当てた両手に

雨が落ちる ひどく冷たく
君は一人 濡れて泣くよう
傘のさしかたさえ忘れたのなら
雲が晴れるまで ここにいよう

あの日 聞き飽きたと嘆いて塗りつぶしたノート
もういいから 嘘のつけない君でいてほしい

青色 青色のままで 拙い言葉を重ねる
もう少し 上手く君に言いたくて
どうして ねえどうしてなの
時が経つのを怖がるの
こんなにも好きなものが増えていくのに

初めてがまだ溢れてる
昨日と違うさざめきの中
二度とない今を歌うよ
そうして無くしたくないものがある
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