おまえのサンダル

親の許しもなく
夫婦もの お断りの部屋で
お前のまっ赤なサンダルを隠す毎日
あの頃の二人は
旅に出る金もなく
故郷の地図をひらいて
汽車のない旅をした
やさしい女よ 許しておくれ
きつい暮らしと 涙の他は
何も 与えなかった

破れ小窓から
夕焼けを見たね
お前が故郷へ帰って もう二年だね
彼は目を閉じて
故郷の空を思う
今頃はもう菜の花が
咲いているだろうか
やさしい女よ 許しておくれ
きつい暮らしと 涙の他は
何も 与えなかった
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