伊勢の女

愛した人に サヨナラは
言わない女で いたかった
涙まじりに 笑った顔が
別れ惜しんだ 千鳥ヶ浜の
波間に揺れる せつなく揺れる
あゝ 伊勢の女

離れるなんて あの頃は
思わなかったよ ふたりとも
明日を誓った 自凋島(おのこじま)を
ひとり歩けば 心に沁みる
夕陽に浮かぶ まぶたに浮かぶ
あゝ 伊勢の女

迎えに来たよ 一言が
ちぎれて舞い散る 二見浦
男心の 愚かさ弱さ
今も変わらぬ 面影抱いて
夜空に祈る しあわせ祈る
あゝ 伊勢の女
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