速吸瀬戸

連いて 連いておいでと 海猫(うみねこ)が
啼いて潮どき 教えるぜ
豊後水道(ぶんごすいどう) 渦を巻き
光り輝やく 春の海
巡る高島 吹雪のさくら
風に吹かれて 黒潮の
花を散らして 瀬戸をゆく

あちら佐田(さだ)岬 こちらが佐賀関(さがのせき)
仲を取り持つ 速吸瀬戸よ ヨーソロー

燃える 燃える夕陽に 染められて
咲いて見送る 波の花
あの娘(こ)ひとりで 待たせても
帰る母港(みなと)は ただひとつ
艫(とも)で兄貴が 舳みよしで俺が
声を揃えて 唄うのは
灯り恋しや 帰港節(きこうぶし)
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