上海から来た男

霧に隠れて 波止場に来たが
胸じゃ未練が 泣いている
どうせ俺等は 上海くずれ
帰る古巣も 今はない
あゝ 今はない

意地を張っても 心の底じゃ
いつか情けに 負けていた
同じスマロで 暮らした二人
思い寄せたが 何故悪い
あゝ 何故悪い

異国育ちの 身の侘びしさを
告げる相手が いるじゃなし
咽ぶ心に 霧笛が響く
俺は寂しい エトランゼ
あゝ エトランゼ
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