やくざ若衆

親の無い子は 旅から旅へ
売られ売られて 角兵衛獅子
今じゃやくざの 股旅合羽
影もやつれて 秋の祭の笛に泣く

お月さん、また、あッしに、仲のいい
親子づれを見せつけるんでござんすか。
親なしッ子の半四郎には、こいつがい
っち罪な眺め――これから夜道をかけ
ても、故郷へ帰り、むかし遊んだドン
グリ山から、思い切り呼んでみたくなりやした。
お父ッつあーんお父ッつあーん――

月が出ている 一本松に
幼馴染みの まるい月
誰が知ろうぞ 父恋唄を
松にもたれて うたうやくざのこの涙

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